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社長のうんちく

#193 B.リーグ観戦記

2024-04-30
 昨年春、ここ太田市に新たに体育館がオープンしました。ほぼ正方形の平面にバスケットボールとバレーボールの国際基準コートを持つ収容人数5,000人のアリーナで、スポンサー企業の名を冠して「OPENHOUSEARENAOTA」と名づけられています。そしてここがプロバスケットリーグ・BリーグのB1チームである「群馬クレインサンダーズ」のホームアリーナにもなっています。普段あまり観戦したことのないプロバスケットボールの試合を見る機会がありました。
 まず驚いたのはそのエンターテインメント性の強い観戦形態です。野球世代では広い球場でビールでも飲みながら拍手や笛太鼓類の応援が関の山ですが、この限られた空間のアリーナで催される応援とタイムアウトの際のチアガールの演出はそのスピード感と熱量が格段に違うことに驚かされました。コートと最前列席との距離は2m。選手の汗が飛散るほどです。そして国内最大級の可動式センタービジョンが天井中央から吊り下げられ、総面積6,100インチの14面ビジョンが選手の動きを追いシュートを再生します。音響もフランス製のサウンドシステムを国内で初導入したとのことで50機のスピーカーが大音量を創出します。
 クレインサンダーズの対戦相手は秋田のチームで、その地元応援の仕方にも圧倒されました。ホームチームが攻撃の際は大応援で手拍子を加えますが、相手チームの攻撃の際は大ブーイングをするという一方づいた応援です。なんとなくアンフェアな気持ちになりますが、いつもこういう応援をするのだと云います。
 ライティングによりコートだけが浮かび上がるように演出されているのは、まるで劇場にいるような錯覚に陥るくらいです。
 付帯設備を見渡すとエントランスやコンコースは応援に欠かせないグッズショップやドリンク・グルメコーナーが併設され色調も高級感が出るように黒で統一されています。少し上の席にはVIPルームも6部屋用意され、個室でくつろいで観戦できるように設えてあります。
 いまのプロスポーツを楽しむというのは、こういったエンタメ空間を提供して共に楽しみ、非日常的な時間を共有することを目指しているのがよくわかりました。お金を落とす工夫がよくなされているんですね。
 クレインサンダーズは元々前橋に本拠を持つチームでしたが、このアリーナの新設に伴って太田の地にホームを移してきました。
 太田市にはかつて旧サンヨー電機によるラグビーチームがありましたが、D1リーグ発足時に熊谷市にホームを移された苦い経験がありました。そこで今度地元のスポンサー企業と行政、クラブが三位一体で取り組んで地域創世の目玉としてクレインサンダースを招致した経緯があります。オーナー企業も企業版ふるさと納税を利用して実質負担が1割程度になるという控除を利用することができたと言います。
 プロスポーツチームを地元で持つことで地域創生を図るというロールモデルの成否についてはひとえに今後の運営にかかっています。
 B1リーグに所属しているチーム数は24チームでそれが東・西・中の3地区に分けられ年間480試合ほどが行われていますが、ホームゲームに限ると年間30試合前後にしかなりません。それ以外での活用や市民への開放に知恵を出し合うのが地元に課せられた役目だろうと思います。傍観せず足を向けるようしていかなければなりません。
赤石建設株式会社
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